薄膜型樹液流センサ 設置例 薄膜型樹液流センサ 外観

植物の「聴診器」— 非破壊で樹液流量を計測

植物の健康を守るには、周囲の環境だけを計測するだけでは不十分です。人の医療が聴診器を当てて身体の内側に耳を傾けるように、植物のケアもまずは「植物自身の声」に耳を傾けることから始まります。

樹液流センサは、いわば植物に寄り添う"聴診器"です。植物体内の水の流れを捉えることで、生育状況やストレス状態を科学的に把握することができ、精度の高いプラントヘルスケアを実現します。

茎熱収支法を用いた樹液流センサは、侵襲的な他の計測原理(グラニエ法など)に対して、唯一非侵襲的に茎/枝の樹液流量を計測することが可能です。

活用シーン

  • 灌水の高度化(精密灌漑)
  • バイオスティミュラント剤(BS剤)の定量評価
  • 乾燥ストレスの調整
  • 苗品種の吸水特性評価
  • 気孔開閉特性の品種間差評価
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茎熱収支法の仕組み

茎熱収支法の原理図

計測部位に薄膜ヒーターを巻き付け、既知の熱量を植物体に付与し、ヒーター周囲に配置した微細な温度センサによって計測部位で成立する熱収支式を解くことにより樹液流量が求まります。

従来のグラニエ法(Granier method)などの侵襲的手法とは異なり、植物体を傷つけずにモニタリングが可能です。

本製品は、センサ部全体(加熱素子と温度検出素子)を印刷エレクトロニクス技術によって一体成型した工業製品としての樹液流センサとして世界初の実用化事例です。

新型「樹液流ジャケット」で設置が簡単に

現場での巻き付け作業を、もっとシンプルに。
ポリウレタンフォーム断熱材を巻く方式から、樹液流測定に最適化した専用の断熱ジャケットへ。設置・交換がスムーズになり、圃場作業の効率化に貢献します。

設置のしやすさは、継続計測のしやすさ。
専用断熱ジャケットの開発により、従来型より巻き付け工程を簡素化。圃場での取り付け・交換作業を大幅に省力化します。

製品仕様

膜厚200μm
センササイズ4タイプ(6-9 / 9-12 / 12-18 / 18-35 mmφ)
サーミスタ数4個/センサ
サーミスタサイズ1005(メートル)サイズ
計測原理茎熱収支法(Stem Heat Balance Method)
接続ゲートウェイNorman mini Sap
対応作物カンキツ、ブドウ、モモ、ナシ、カキ、リンゴ、ナッツ類、コーヒー、マンゴー、トマト、チャ、メロン、アスパラガス、ナス、トウガラシ、ハス、バラ、トルコギキョウ など

活用事例

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Case 1:ハウストマトでのBS剤試験

ハウストマト農家様のご協力のもと、気孔開口を促進する揮発性バイオスティミュラント剤の効果を検証。樹液流量を実測することで、データに基づいた資材効果の評価が可能となり、新たな知見を得られました。

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Case 2:温州ミカンの水分ストレス可視化

カンキツ農家様にご協力いただき、透湿防水シート区・エチクロゼート区・無処理区の樹液流量を計測。水分ストレスを与える場合は透湿防水シート区が最も効果が高いことが判明しました。

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Case 3:ブドウ園の干ばつ対策

干ばつ時に樹液流センサを活用することで、根からの水分吸収状況を直接把握し、灌漑制御アルゴリズムの最適化を行うことができました。

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