薄膜型樹液流センサ 設置例 薄膜型樹液流センサ 外観

植物の「聴診器」— 非破壊で樹液流量を計測

植物の健康を守るには、周囲の環境だけを計測するだけでは不十分です。人の医療が聴診器を当てて身体の内側に耳を傾けるように、植物のケアもまずは「植物自身の声」に耳を傾けることから始まります。

樹液流センサは、いわば植物に寄り添う"聴診器"です。植物体内の水の流れを捉えることで、生育状況やストレス状態を科学的に把握することができ、精度の高いプラントヘルスケアを実現します。

茎熱収支法を用いた樹液流センサは、侵襲的な他の計測原理(グラニエ法など)に対して、唯一非侵襲的に茎/枝の樹液流量を計測することが可能です。

活用シーン

  • 灌水の高度化(精密灌漑)
  • バイオスティミュラント剤(BS剤)の定量評価
  • 乾燥ストレスの調整
  • 苗品種の吸水特性評価
  • 気孔開閉特性の品種間差評価
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利用構成

薄膜型樹液流センサは、IoTゲートウェイ「Norman mini」と組み合わせてご利用いただきます。茎・枝に巻き付けて設置したセンサが計測した樹液流量データは、Norman miniを介してクラウドへ送信され、ブラウザ上のクラウドアプリケーション「Sapflow Monitor」(cloud.agrishot.com)からいつでも閲覧できます。

PC・スマートフォンから圃場の計測状況をリアルタイムで確認できるため、灌水管理やストレス評価など、現場の意思決定をデータに基づいて行えます。

はじめて樹液流計測を導入される方には、ゲートウェイ「Norman mini」・薄膜型樹液流センサ・クラウドアカウント(1台目)が一式になった「樹液流計測セットSigfoxタイプ」がおすすめです。必要な機器をまとめて手配でき、届いたその日から計測を始められます。

セットアップの流れ:センサを茎に巻き付けて設置 → センサコネクタを Norman mini の ch1〜4 に接続 → Norman mini の電源を入れると、設定不要で計測・送信が開始されます。閲覧には Sapflow Monitor のユーザーアカウント(有料)が必要です。詳細は取扱マニュアルをご参照ください。

樹液流の計測画面

Sapflow Monitorの樹液流計測画面

クラウドアプリケーション「Sapflow Monitor」では、樹液流センサが計測した樹液流量の推移をグラフで確認できます。日中の蒸散にともなう樹液流の増減が時系列で可視化され、植物の水分吸収の状態を一目で把握できます。

温度・湿度・日射などの環境データと重ね合わせて表示できるため、灌水のタイミングや乾燥ストレスの評価など、現場の意思決定をデータに基づいて行えます。PC・スマートフォンのどちらからでも、いつでもどこでも計測状況を確認できます。

茎熱収支法の仕組み

茎熱収支法の原理図

計測部位に薄膜ヒーターを巻き付け、既知の熱量を植物体に付与し、ヒーター周囲に配置した微細な温度センサによって計測部位で成立する熱収支式を解くことにより樹液流量が求まります。

従来のグラニエ法(Granier method)などの侵襲的手法とは異なり、植物体を傷つけずにモニタリングが可能です。

本製品は、センサ部全体(加熱素子と温度検出素子)を印刷エレクトロニクス技術によって一体成型した工業製品としての樹液流センサとして世界初の実用化事例です。

新型「断熱ジャケット」で設置が簡単に

現場での巻き付け作業を、もっとシンプルに。
ポリウレタンフォーム断熱材を巻く方式から、樹液流測定に最適化した専用の断熱ジャケットへ。設置・交換がスムーズになり、圃場作業の効率化に貢献します。

設置のしやすさは、継続計測のしやすさ。
専用断熱ジャケットの開発により、従来型より巻き付け工程を簡素化。圃場での取り付け・交換作業を大幅に省力化します。

樹液流センサの取り付け方法

薄膜型樹液流センサの茎・枝への取り付け手順を動画でご紹介します。

製品仕様

膜厚200μm
センササイズ(茎径サイズ)4タイプ(6-9 / 9-12 / 12-18 / 18-35 mmφ)
サーミスタ数4個/センサ
サーミスタサイズ1005(メートル)サイズ
計測原理茎熱収支法(Stem Heat Balance Method)
接続ゲートウェイNorman mini
対応作物カンキツ、ブドウ、モモ、ナシ、カキ、リンゴ、ナッツ類、コーヒー、マンゴー、トマト、チャ、メロン、アスパラガス、ナス、トウガラシ、ハス、バラ、トルコギキョウ など

⚠️ ご使用上の注意
樹液流センサは設置部位の温度変化を解析して樹液流量を算出するため、サーミスタが濡れると正しく解析できません。そのため、降水量の多い日本国内では、雨よけ、もしくはハウス内での計測を推奨しております。

活用事例

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Case 1:ハウストマトでのBS剤試験

ハウストマト農家様のご協力のもと、気孔開口を促進する揮発性バイオスティミュラント剤の効果を検証。樹液流量を実測することで、データに基づいた資材効果の評価が可能となり、新たな知見を得られました。

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Case 2:温州ミカンの水分ストレス可視化

カンキツ農家様にご協力いただき、透湿防水シート区・エチクロゼート区・無処理区の樹液流量を計測。水分ストレスを与える場合は透湿防水シート区が最も効果が高いことが判明しました。

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Case 3:ブドウ園の干ばつ対策

干ばつ時に樹液流センサを活用することで、根からの水分吸収状況を直接把握し、灌漑制御アルゴリズムの最適化を行うことができました。

よくあるご質問

⚠️ ご利用上の注意

  • Norman mini 1台あたり、樹液流センサは1本のみ接続可能です。
  • Norman mini(Sigfoxタイプ)の場合、計測間隔は10分間隔です。

Q. 他社製のデータロガーで計測は可能ですか?

現時点で計算式をノウハウ上公開しておりません。サーミスタによる温度計測のために基準抵抗の挿入が必要となります。データロガー機種によってはこの作業が煩雑となりますし、お使いになる抵抗によっては計測精度が落ちてしまいます。また、異なる環境上での挙動をサポートしきれないため、他社製データロガーでは通常は使用不可とさせていただいており、対応する場合は、別途開発案件とさせていただいております。

Q. 逆流を計測することは可能でしょうか?

原理上は計算可能ですが、絶対値を確定させるためには校正が必要となります。

Q. クラウドにデータをアップロードするにあたり、別途モバイルルーター等の回線契約が必要でしょうか?

Sigfoxタイプの場合はSigFox通信により、WiFiタイプの場合はWiFi環境により、アグリショットクラウドにアップロードされます。クラウド利用料が必要となります。

Q. データはローカルにも保存されるのでしょうか?

Norman miniはMicroSD等の記録媒体を持っておりません。データはアグリショットクラウドにアップロードされます。

ご購入・お問い合わせ

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